Insight
2017.12.29
終わりの始まり。コモノリプロダクツに関わってくださった全ての方本当にありがとうございました。コモノリプロダクツとしての活動を終了させて頂きます。無知と希望から始まったこのミッションを通して私達は沢山の素晴らしい方々に出会い、学び、費やし、携わり、カタチを残すことができました。そして、想いは届く事を知りました。いつ、どこで、誰と何をしても共に笑い、共に泣き、共に考えた経験は永遠です。これまでの経験を活かし、次なる無知と希望を胸に抱き、新たなカタチを作り出すべくそれぞれは歩み始めています。めでたし めでたし。はじまり はじまりー。Treepeople「C.P.A projects」2018年1月2日より
2017.10.12
みなさんと共に過ごした10年;COMMONOreproducts_先日のイベント、あいにくの雨にも関わらずお越しいただいた皆様ありがとうございました。行きたかったのに、のみなさんのお声に次こそは沢山出た課題と共に意気込んでおります。先日のイベントでもお伝えしましたが、コモノリプロダクツは10年を経て今シーズンで終了します。胸いっぱいというよりは、まだまだ続く事しか想像が出来ていません。きっと姿勢の様なものは変えれない程に体に染み込んでいるのだと思います。今何がやりたいか、ただそれだけで私達メンバーは後先考えず楽しんでこれました。陰で応援してくれる職人さんがいて、大切に伝えてくれるお店の方がいて、着て楽しんでくれる人がいて、無謀な事に付き合ってくれる仲間がいて、一貫した関わる全ての人の笑顔の為にをモットーにここまでやってこれました。皆さん、本当にありがとうございました。そしてこれからもいつかどこかで誰かが充実した日々を送れるためにものづくりを続けたいとおもっております。物が溢れかえる今、どんな空気でどんな壁でどんな匂いでどんな音楽とどんな人との会話に身をまかせて買うのか、それにこだわって過ごしていきたいと思います。そして皆さんと過ごした大切な瞬間(時間)が宝物だと噛みしめております。残り4ヶ月でアトリエは閉鎖しますが、今尚熱い気持ちは内側で育っています。今週末の一宮で開催されるイベントAwesomeも、来月静岡でのイベント125milesも、12月のCAFE CAFE MARKETさんとの催しもずっと全力で楽しい時間を皆さんと創っていきたいです。そして変わらず服と共にある人生をこれからも思う存分満喫していきたいと思っております。いつも長文にお付き合い頂きありがとうございます。これからも思いの丈をツラツラとお伝えしていけたらと思っておりますのでどうぞお付き合いくださいませ。イベント情報はnewsにてお伝えしていきますのでそちらもご覧ください。それではまたお会いしましょう。
2017.09.30
「それもDesign」_「人生はイメージ」先日縫製職人さんの工場へ行ったらミシンの前に貼られていました。これできるかなぁ、こんなことやれるかなぁ、モヤモヤがとれず、楽しいってどんなこと?面白いって何が?本当に必要?どうして洋服が好きなの?大切なことってなに?どうでもいい事って?疑問でいっぱいになっていた時、このメモ紙を見て笑えてきました。ほんとに、人生はイメージです。そしたら自分でつくらなきゃ!どうしようもないことはどうでもいいんだ!大切な事はどうすれば楽しくできるかなんだと視界が一瞬で開けました。日々はそんなに簡単にセパレートにはできません。みんなモヤモヤとバランスと向き合っています。逃げるんじゃんくてそんな曇った部分こそが面白いと楽しもうと思う今日この頃です。そしてそんなことがないよりあるから洋服をカッコ良く着れるんだ。そう思うと日常がとても味わい深くなってきます。面白い状況は今ここで起きている事なんですよね。近頃は店頭でみなさんのお顔を見たり、お話を聞いたり、時にはお話を聞いて涙を流して下さる方がみえたり、沢山の方々との出逢いに日々興奮しています。やっぱりお店はいいです。未熟な洋服と私達はみなさんの手で完成されていくのを実感できるからです。そして私達がこの場所で洋服を作る事を選んだのは、このお店で起きる感覚と工場で起きていることと、ほぼ全ての方の顔が見える中で作る事ができるからです。顔が見えると悪い事ができません、恥ずかしい事もできません、時々カッコいいところみせたくなったりもします。予測不可能なハプニングにも見舞われます。そんな時に団結できたときはもう言葉にならない感動が生まれます。妥協のないもの達はそうしてつくられています。妥協がない分工場でもアトリエでも時には店頭でも過熱してしまいます。先日も、そんな状況をある方に「ピュアなものづくりしてるんだから子どもじゃないと作れないんだよ。」と有り難いお言葉をいただきました。関わるほとんどの方々が子どもです。一生懸命以外がありません。そんな環境がとても素晴らしいんだと文章を書きながら思い返し実感ています。やっぱりこの人じゃないとなぁ。やっぱりこれじゃないとなぁ、ここじゃないとなぁ。それこそがDesignなのではないかと、今回のイベントの課題でもある私達にとっての「それもDesign」についてもぼんやり考えているところです。(10/6のトークショーにてゲストのみなさんから人生やデザインについてお聞きできたらなぁと思っております。)失礼な表現かもしれませんが、今回トークショーのゲストでお越しいただくみなさん、そして参加していただくフードの作り手たちは、そうれはそれはもう子どもです、大っきい子どもです。とびっきり楽しいイベントになりそうです。見切り発進で企画がスタートして、とにかくやりたいやってみたい、それがきっと無理だろうなぁという状況を出店していただく関係者の皆さんが変えてくれました。終わってもないのにもう感動しています。心に残る時間、それだけを目指して準備を進めたいと思います。そして、今回も来てくれるみなさんとそこにしかない時間を一緒に作りたいと思っております。当日お会いできるのを楽しみにしてます。イベントの詳細に関してはHPのnewsにてご確認ください。
2017.07.22
自分の力を信じていない_何か一つスタンスみたいなものをあげるとしたら自分の力を信じない事かもしれません。周りの人や先人から学ぶ事が絶える事無くあります。一人の人間が作り出す世界は底がしれています。私達はCOMMONOreproductsを始めた事によってチームで作り出す事、それが出来た時の喜びと素晴らしさを知ることができました。見た事の無い楽しい世界とストーリーを作りたい、今日もただただそんな夢みたいな馬鹿みたいな事を言ってみるのです。それがたまたま洋服だっただけの事です。楽し所に何かがある気がしてなりません。だから一人の意見を信じず未だ作られていないストーリーを人と一緒に作っていきたいのです。
2017.07.09
豊かな日_昨日は店頭でのたくさんの方々との話が面白く、心に残った文をランダムにご紹介します。「服に鍛えられる毎日。人と違う格好をしなくてはいけない使命。毎日が挑戦で毎日がスリル。雑誌に出てくるモデルさんのスタイリングを真似して洋服を着ておけば楽なのに。狭い日本じゃなく世界に出たらこの着こなしは通用するんじゃないのかと考えてみる。このTシャツとこのスカートとの生地の質感の違い。いまクローゼットにあるものとぴったり合うかどうかわからないのに買いたくなる衝動。今はまだ1パターン、それがいい。何にでも合わせられるなんて嘘だ。これを身につける人がどんな人間か。この洋服が似合う様になるために人格を変える。馬鹿みたいに服を好きになっちゃった。絵が欲しい。その写真を見て今日も頑張ろうと思うものが買いたい。どんな人が作っているかって気になる。おのずと付いてくるセンス。恥をかく経験がないとオシャレになれない。今日はコムデギャルソン立ち上がり。音楽と服。楽しく生きる為にお金を払う。旅に行くために洋服がいる。お金はうんこと一緒、蒔けば肥料になって花が咲くけど、溜め込んだら臭いだけ。人は人。自分は自分。いい奴つまらない奴。そんなのカッコ良くない。インドに行きたい。エチオピアに行きたい。モロッコに行きたい。」みんな考えている、みんな生きてるなぁ、コミュニケーションは面倒だけどいいこといっぱいあるなぁ。豊かだなぁと感じたのでした。Musee des Artsでのsamulo展ディスプレイも毎回本当に素晴らしいし、店頭でガレージコーヒーの小田くんのコーヒーも飲めたし、chichiriのあやちゃんのお菓子もあっという間になくなっちゃいました。今日もchichiriのあやちゃんの自家製ミントジュースが飲めます、みなさん店頭でお会いしましょう。
2017.06.17
極めよオタク_本日より豊橋analogにて企画展が始まりました。昨日は搬入に豊橋に行ってきました。行き帰りの車中、店内でも道路でもずーっとanalog店主との洋服話は止まること無く、学生の頃から今(40代)になるまで夢中の洋服とその時の心情と、仕事と友達と恋愛と変わっていく社会と自分と、、、。洋服は色んなすき間を埋めてきたんだなとanalog店主の話を聞きながら鮮明な映像とともに懐かしむことができました。そしてそんな様々なシーンにお気に入りの洋服を着てとっておきの時間を過ごすことが出来たのは、お店という"洋服を買うための最高の演出"の中へ自ら出向いたからなんだと改めて振り返っています。洋服はやっぱり店頭で店員の話を聞き、ニュアンスを掴みとり、音楽に身を任せて買い物するのが最高に気持いいのです。モノはどこででも買えますが、店主のセレクトする音楽と話とがくっついた洋服はやっぱり最高の瞬間的なそこにしかないものになるんだと変わらず思うのです。SNSは悪者ではありません、きっと音楽と店作りと人と全てが揃った最高の場所を作る努力が足りないのだとここ最近自身に思っています。まだまだ勉強が足りないと。センスを磨かないとと。お店で素敵な人達に出会うと心からそう思います。SNSにはない情報をお店の店員さんが持っていれば、人はそこに行きたいと思うのです、その人にしかないセンスを盗みたいのです。これは度々言う話ですが、本当に店員さんはオタクだったし、今もオタクの店員さんの話は面白いのです。どんな生活しているのかどんな音楽を聞いているのか、映画は何を観ているのか、休みの日は何をしているのか、クローゼットはどうなっているのか、全てが謎めいていて魅力的で、服を買うのと交換に教えてもらうのが礼儀でした。そして給料日になってはそれを楽しみにお店に出向くのでした。先日コモノリプロダクツに来てくれた若者はanalogの店主の話に魅了され、「初めてanalogに行った時には洋服に興味がなかったけれど、今はとりつかれています。」と嬉しそうに話しているのを聞き、心底嬉しかったのです。純粋な気持はお金では買えません。そしてそんな純粋な子を大切にする店員がいるお店は本当に素敵です。そんな子達のためにももっともっと店員はオタクを極めないといけないのです。そして共に成長できる共に悩めるお客と店員は、洋服を超えてカルチャーを作っていくんだとおもいます。24、25はanalogへお邪魔します。夜はトークショーもさせていただきます。豊橋の店頭でお会いできるのを楽しみにしています。
2017.05.31
人間って面白い_先日のトークイベント(OneTreeAcademy)の際この地域を大切に育てていらっしゃる土川さんのこぼれ話を聞く事ができました。イベントにいらっしゃれなかった方のために土川さんを簡単にご紹介させていただくと、彼は長年学校で社会の先生を務めてみえました。退職後ご実家の商店を営みながら地域の方々や池田山や町内活性の活動を先頭でされている方です。トークの際も先生をされていた事もあってとても聞きやすくすーっと体に入ってきました、話にはいくつかの疑問も生まれとても興味ある内容でした。その翌日また様子を見にみえた土川さんに、先生だった頃のお話をお聞きしました。「ほんとうはねぇ、人前で話すのが嫌でねぇ。人前で話すっていうのはどうしてもみんなに向けて均等な事を言おうとするからねぇ、みんなが好む人間でいないといけないみたいなのがあるでしょ、そんなのはねぇ真実ではないよね。人間ってものはもっともっとドロドロしているもんだから、それをひっくるめないとねぇ。だから教員の最後の日、辞任式ってあるんだけどね、それは教員人生がどうだったか全校生徒と教員の前で話しなくちゃいけないんだけど、嫌で嫌でねぇ。言葉にするとなくなっちゃうんだよ、本当の事が。だから当日学校行かなかった。」そう言って軽トラックから桜の木が折れた補強のためのロープを束ねる土川さんがなんともカッコ良かったのでした。
2017.05.16
One Tree Academy_5/27,5/28に池田山にてOne Tree Academy が企画するトークイベントに参加させてもらう事になりました。One tree academyのメンバーとの出会いはおよそ5年前くらいになると思います。今も変わらず刺激を受け続け、とにかく行動に移す事が大切だと教わったのも彼らからです。多くの言葉を必要とせずシンプルに生きる彼らが企画するOne Tree Academy vol.1は、きっと私達にも何かの発見となるだろうと、今からワクワクしています。いつも告知がギリギリですいません。お時間あれば是非山の中での授業を受けにいらしてください。お会いできるのを楽しみにしてます。
2017.05.13
猪突猛進_やりたい気持さえあれば後はなんとかなります。あんな風こんな風だったら良いなぁと理想が形になっていく時はやっぱり楽しいです。やりたいだらけの空想の中にどっぷり浸かると、もうそれが売れるかどうかじゃなくて見て欲しい来て欲しい、それだけです。
2017.04.15
木_最近アトリエ近くの正木公園の木が沢山切り倒されました。理由はここの場所が避難所だということ、子供が遊ぶのに邪魔になるから、という事だそうです、残念でなりません。木は地面から上だけが木ではない事をどうして想像できないのかと思います。根っこがその土地を守っているし、邪魔だと思っている枝と葉っぱは日陰を作り虫や鳥や人々の居場所を作っています、子ども達は木を見てでっかいなぁって空を見上げるのに、、もうこれ以上日本から緑を取り上げてはいけないと強く願うのです。
2017.04.01
共に育つ_ただただ人を楽しませたい、喜ばせたい、驚かせたい、その気持はどこにいたってかわわない、情熱が無くならない限り永遠です。ブランドの名前よりも作っている人たちがどんな気持ちで関わっているものかという事が本当に大切だなぁと思いました。先日母が電話口で言いました、「気に入った洋服が買えた時の喜びはすごいもん、すごい仕事やなぁ」と。その顔を想像したら、物作りに対する姿勢は変える事なんて出来ないなぁ、洋服は沢山の人から教わり、パワーをもらって育っていくんだなぁと思いました。
2017.3.28
帰国_考えよう、やるならやろう、しなくちゃいけない、いろんな自らの縛りから解放できたほんとうに良い旅でした。見えなかった事が見えて、整理できて、とってもクリアになりました。日本の自然環境や生活環境、地元で作るという事、洋服とそれとの関係、全てが丸になって繫がったように思います。勝手に忙しくしていた今までを見直して、今は話すべき人とじっくり話がしたい、そして再び未だ見ぬ楽しい事を創っていきたいと思います。
2017.3.26
コミュニケーション_言葉は無くても意志が無くてはいけません。ノープランで行ったインド、何がしたい?と友人は言います。本心は何もしたくない、でもそんな事を言ってしまえば相手はつまらないんじゃないかと思ってはっきり言えません。そんな曖昧な自分が相手を困惑させてしまうのだと反省した日。結局思いは同じだったりします。ちゃんと関係を築きたいと思えばちゃんと意志を伝えなくちゃ、きっと良くなるためにはそれしかないと気づけました。。自分次第だなぁ、面白い。
2017.3.24
美しくて言葉を失います_人も牛も猿も犬も、ここではみんな一つの生き物。誰も何も恐れないからどの動物も人を攻撃したりしません。人が歩く前を牛が歩いています。道路の横断だって、人も牛も一緒にします。全てが自立していて美しいのです。本気で生きているからみんな助け合っています。in Rishikesh
2017.03.23
インドへ_今年はとにかく思ったこと口にしたことをやってみようと思ってインドへやってきました。今までは何かのせいにしてやらずにいただけだなぁと。ただ感じて受け止めてまた動いて、一度きりの人生おもいっきり楽しもうと思います。なんとかなる。なんとかする。なんとでもなる。簡単なことです。シンプルに考えようと思います。
2017.03.12
物質的欲求と精神的欲求_戦後物がなかった時代から満たされたいと欲求がはたらき、日本は沢山のもので溢れていった。今は手に入らない物があるだろうかというくらいになった。いつでもどこでもなんでもできるようになった。買う側はより良い物をより美しいものを探そうとして、作り出す方もそんな人達のためになるならと物作りをする。何かがおかしい。求められる物を作るだけなら、はたしてデザイナーやブランドはいるのだろうか。職人さんと買い手が繫がれば一番満足いく事になるということなのだろうか。先日あるバイヤーさんがこんなことをおっしゃった。前まではお客さんを満足させるためならコロコロと取り扱いブランドをとっかえひっかえしていた、それ自体に悪いとも何も感じていなかった、と。でも最近それがなんだか違うんではないかと気付き始めたと。昔よりも作り手が見える様になり、それを思うと、どうせ買うならここから(この人から)買った方がいいと思う様になったと。。私達が目指すところはまさにそれなんだと心の中で深くうなずいた。ダイレクトがいいとかここにしかないものがいいとか、そういうことはとても表面的な事なのだと思う。洋服はちょっと照れくさくてちょっと誇らしげな人と人をつなぐ大切なものであって欲しいと今日も願う。そしてつくりだす者としていつ何時も未だ見ぬ世界で草をかき分け冒険し続けないといけないんだと思う。そんなことが洋服に宿った時、かけがえのないものになると信じ想像している。
2017.03.04
夢を旅した少年_今何がやりたい?やった事がない事がやりたい。先日の山本との会話が蘇ります。
2017.01.20
WORKERS_洋服を作るようになってからも、買付していた頃もずっと、WORK WEAR(本気で働く人たちの服)というものが洋服のど真ん中にあって、カッコよく働く男性の姿を想像して、美しく振る舞う女性の姿を描いて、その行為を邪魔せず引き立てる事が出来る、複雑な行為がシンプルな行為に変換されるような、そんな洋服がいいなぁと考えてきました。近頃は日本や世界に洋服が溢れて、世の中に無いものこそが新しいという考えだけが先行して原型が無くなって、何がカッコイイのか曖昧になって、少し前から一度色んなことをリセットして何にもなかった頃のあの時に戻れないかと想像していました。もう一度洋服と自身との関係を見つめなきゃなぁと思いながらずるずる過ごしていたような気がします。そんな悶々とした事を解消したくてなんだかやってみたいと思いました。1月21日からMusee des Artsにて『WORKERS_美について考える』というイベントを開催します。初期の頃の下手なWORKERSや作れる職人さんがいなくなって廃盤になった物、オーダー会もやってみようと思います。お時間ありましたらいらしてください。初心に戻って考えれる良い機会になりそうです。詳しくはMusee des Artsのホームページhttp://musee-arts.com/にてご覧ください。
2017.01.17
折り返し地点_昨日はモデル撮影でした。撮影の日はマラソンの折り返し地点にやってきたみたいな感じです。展示会まで残り1ヶ月ですが、後半はサンプルの修正と展示会準備、最終チェックが毎日小刻みに続きます。集中力が大事な時期に入ってきます。限られた時間の中で関係者が良いものについて再度考えて、カッコ良いという着地を確かめ合い発掘し合う面白い時期な感じがします。これをずっと色んな視点からご指摘を頂いたり、無茶を言ったりしながら形にしていくから、関わる全ての人達が造った展示会みたいになって、展示会が終わるとなんとも言えないジワジワと込み上げてくるものがあります。バタバタをバタバタだけで過ごしてしまわぬようにと思います。ここからは小さな気付きを求めて過ごせるのかで何かがなんとなく変化しているような実感を得ている気がしています。大きくじゃなくてもなんだかそんなのが良いなぁと思います。
2017.01.07
罰ゲームみたいだよ_最近本当に世の中に物が溢れてる気がしない?こんなにも世の中に物が溢れているのにどうしてまた新しいものを作らなくちゃいけないのか、という話をデザイナーとしました。本当にこれを作って良いのか時間もお金も費やして葛藤して、それでもきっとかっこいい、これで少しは今とは違った景色が見えるかもしれない、きっとみんないいって言ってくれるという期待と不安のエネルギーを振り絞るんだから、理想を言えば作ったもの全部が喜んで買われて足りないくらいでっていうのがいい。昨日はNeil YoungのAfter the Gold Rushを聴きながらサンプルセール会場を作る彼が、これって罰ゲームみたいだよって笑いながら言ったので思わず曲のせいか彼のそれでも闘う姿を見て涙が止まらなくなりました。それを見て見ぬふりして彼は私を笑わせようと、その後お客様との想像のやりとりを、テレビショッピングみたいにこう言いました。こちらが今ならなんと30%オフ!更にレジにて30%オフ!なんて言ったらお客さんどれだけ困惑するだろうねぇってたくらんだ顔して冗談言ってまた笑っていました。深くこの日を刻んで洋服とそれを取り巻く全てをまたちゃんと考えよう、やっぱり面白いんだ、楽しいんだって世の中が清々しい笑いに溢れる様にまた考えなきゃと思ったのでした。
2016.12.31
皆さまへ_今年も長文にお付き合いいただきまして有り難うございました。夢のような出来事がたくさん詰まった一年でした。失敗もいっぱいでしたが、やりたいことを思う存分できた刺激的な一年でした。偶然と必然の出逢いを振り返ると未だ消化できない興奮があります。そんな出逢いに恵まれたのも、コモノリプロダクツと皆さんが時には共に、そして時には互いに歩んできたからだと思います。来年は良い事も悪い事もぜーんぶやってみようと思っています。一度きりの人生、知恵をふりしぼってたくさん想像して大好きな人達とおもいっきりぶつかってみたいと思います。そうしないと見えない事を見てみたいと思っています。そしてまた皆さんとお会いできるのを楽しみに。お互いに来る年が良い年であります様に。良い年をお迎え下さい。
2016.12.26
今を生きる_ここでは本当に学ぶ事が沢山です。スパイスの島田君、ヒラヤのアキヨシ君、やっぱり彼らの味は本物(私にとって)です。カレーが苦手な私は年に数回しかカレーを食べません、いや、以前は全く食たいと思いませんでした。島田君のカレーを食べてから食べれる様になったのは大袈裟ではなく本当の話です。7月にラウンドアバウトの小林さんと藤城成貴さんとお邪魔した時は、小林さんが大盛り2杯をぺろりと完食。写真はその時のものです。その後隣のヒラヤで珈琲をいただき、楽しい話に花を咲かせていたら小林さんがバタンと音を立てたので目をやるとZzz..って文字がテロップで出てるみたいにヒラヤの愛に包まれて眠っていました。ここにはそんな空気をもつくる店主がいます。何にする?、おまかせで。って言いたくなる本当に素晴らしい作り手たちだなぁと思います。「今」を生きているなぁって思います。帰りの車中、そんな彼らの話をいつものようにして帰りました。どんなお店が良いお店かって話になると10年前も今も答えは同じです。お店の帰り道で何を買ったかという話ではなく、さっきまでしていた会話の続きがしたくなるお店です。お店に来てくれる人たちとのお店での出来事は一生のうちの一瞬です。だからやっぱり今を一生懸命生きている人に心奪われます。
2016.12.18
熟成時間_2017年秋冬のサンプルが少しずつ上がってきました。まだまだ全体が見えてくるのには少し先です。といっても来月半ばには撮影、そろそろ無駄な焦りが出てきました。ちゃんと伝えれていたのか、これでよかったのか、サンプルが上がってくるまでは合格発表みたいで落ち着きません。むさぼる様に映画を観たりあちこち手を付けて本を読んでみたりの日々です。洋服に期限があることはある意味で救いなのかもしれないなぁとも思います。職人さん達の力を信じて待つ、職人さん達もそうして進めてくれる、気の引き締まる日々の連続、今はそんな熟成の大事な時間です。時間をかけてじっくり想像しそれを着る人がいる景色を今日も想像する日々です。photo by James Gibson
2016.12.08
豊かな時間_先日イベントが無事終わってずっと胸がいっぱいで、今はようやく余韻から抜け出せそうなそんな感じです。今回はなんとも表現が追いつきません。ほんとうに豊かなイベントで夢のような素晴らしい時間でした。イベントが終わったのに、今もまだ見て欲しい来て欲しい会って欲しいという感情が止まりません。会期中、何度も足を運んでいただいた方、その場から離れられなくなった方々、放心状態になっちゃった方、スタッフも含め皆さんがCAFE CAFE MARKETの栗原駿さん、はる子さんに今もまだ心奪われたままです。お二人がセレクトされたジュエリーやアンティークの潤沢なたたずまいも、お二人のぶれないカッコ良さの賜物だと思います。バイヤーとしても販売する者としても、お客としても、もうそれはそれは勉強してもしきれないくらいです。やっぱり人間力だなぁとしみじみ思います。お二人との出逢いから始まって、沢山の皆さんのご協力でしょうぶ学園nui projectやコムデギャルソン コムコム、アーツアンドサイエンス、ヴィンテージリーバイス、Rukaさんのインスタレーション、いろんなものがオーケストラの演奏者の様にひとつになって音を奏でていました、と言っても決してキザではない空気でした。初日のトークショーでは私のガチガチのMCから始まり、イワタトシ子さんのビシバシ素敵な体験談、最後は栗原はる子さんのラップのお話でどかーんと盛り上がりました。お二人の魅力、引き出せたかなぁ。でもきっと今回のトークショーは有意義だった、そんな感じがなんとなくしています。今まで起こった一番のハプニングをこのトークショーとお答えになった栗原はる子さん、可愛かったです。お越しいただけなかった方、チケットが入手できなかった方、またいつかもう一度できればと思っております、それまでお楽しみに。そしてやはり今回もお客様はお客様ではなくなっていました、もう誰がお客なのかスタッフなのか、この場所はどこなのか、そんな感じで3日を無事終えれて本当に一体になっていた事がとても印象的です。また、必ずやります。みなさん有り難うございました。またお会いできる日まで。
2016.11.29
「HAPPY VICTIMS着倒れ方丈記/都築響一」_本棚の整理をしていたら懐かしい本が出てきたので何かそういうときなのかもしれないと再び読みました。取りつかれ、狂った様に依存する、昔は大バカものが病的にみえましたが、今は目の前の情報に身を委ね、仮想の静寂に身を潜めている人の方が病気だと思う様になりました。そして今は一見足りない所だらけの様な大バカものが人間らしくて愛おしいのです。洋服はかろうじて真っ当に生きる為のバランス役になっているのかもしれません。物心ついた頃から何かが変だ、みんなと違う、でもどうしてそうしなければいけないんだ、常識って?普通って?そんな事にずーっと疑問を抱えながら、洋服を着る事で保たれていた、そんな事をこの本は思い出させてくれます。学校を卒業後、服屋に就職する当時はまだ洋服屋がキムタクの恩恵を受けていない時代でした(お洒落な職場になったのはキムタクさんのおかげです)。洋服屋に行くのはちゃんと企業に入社できない落ちこぼれが行くところだと思われていました。大学にまで行ってそんなところに就職なんて、親不孝だと言われていた時代です。かといって学生時代に寝ずに遊び続けた愚かな代償は今更どうする事も出来ず、服屋で腹をくくって働く、ただそれだけでした。生きていく為に。ろくでなしが、ろくでなしのまんまで終わらない様に、ここで一旗揚げるしかない、そんな意地だけでここまでやってきました。洋服屋はどこか社会に認められていませんでした。馬鹿だと言われて、理解されず、だから洋服が好きだったのかもしれません。今も洋服が正義だとは思いません。それでもそれに救われ、人間らしく生きている人はここにもいるんだとこの本を読んで改めて嬉しくなるのです。
2016.◯.◯
人に褒められた数よりも疑問を投げかけれた数をカウントしたい_少ないなぁ。不思議な事いっぱいにしたいなぁ。
2016.11.08
名脇役_明日から急に寒くなると聞いて慌てて今年も暖房器具たちの掃除です。私が物心ついた頃からそばでずっと心身ともに温めてくれていたアラジンは、芯を焼いてしまったことはあっても壊れた事は40年近く一度もありません。そしてまた今年も一年出番を待って脇役(寒いのが苦手な私にとっては主役)として登場します。大っきくは温めれないけど、側にいると飽きずに幸せだなぁと思います。そんなアラジンみたいな洋服っていいなぁと2017年の秋冬サンプルを想像しています。
2016.10.23
どんな服作りたい?_先日の仲間からの電話、コモノリプロダクツの洋服はもっとPRが必要だ。わかりにくいよ、生地が良いのもわかるし地場に基づいた物作りもわかるけど、もっとさぁ、何年代の何とかテーマとかさぁ、ベースはどこから来てるとかさ、ファッションとしてのなんか売り文句は無いの?売りづらいとの内容でした。なんだか着たくなる服では駄目ですか?えーっ、笑。5年後にわかる服。んー、わかりずらい。着て初めて完成される服でも駄目?うん。じゃぁ、どうだーって言わない服、すごくないのがすごい服!笑。自分で言いながらなんていい服なんだ、なんて満足してるのに、いくら言葉を並べても、電話の向こう側では腑に落ちない様子、そのまま会話を終えました。電話を切った後もずっと山本の側にいるのに伝えれないもどかしさ、でもやっぱり山本がテーマなんて言いたいはずがないと頭の中はモヤモヤ。何がやりたいのかわからないってお言葉は何度も言われます、でもそれは一番の褒め言葉。やりたい事がわかられちゃったら恥ずかしいよね、って言っていつも山本は笑っています。どうにも気になって、山本にそのあと電話して、営業失格だぁ。。ちゃんと伝えれなかった、駄目だぁ。売り文句って、、難しいです。。と言うと、それでいい、いらないよ、と言って笑っています。今更だけどどんな服作りたいってあるの?って聞くと、うん!あるよ、誰にでも作れそうな服。と即答。じゃぁ、作っちゃうよみんな。うん、作ったらいいよ。みんな作ったらいい。え?!いいの?うん!楽しいじゃん。なんだか、じーんときたのでした。秋だからかなぁ。photo:WORKERS SHIRTを縫ってくれているおかあさん
2016.10.13
オタクに習う_先日名古屋に期間限定で出店されているGOOD DESIGN SHOPでお店で医療用の瓶を購入させてもらいました、小学生の頃保健室に在った瓶です。ずっとコットンを入れる瓶をもう何十年も探していましたのでほんの些細な部分ですが生活が整った嬉しさでしばらくずっとその機能美を眺めておりました。セレクトし継続して売り続けることは全く容易では在りません。そんな事を考えながらようやく出逢えたロングライフデザインについて考えてみました。素晴らしいデザインというのは確かにデザイナーが作り出すものかもしれません、でもそれを求める人、使ってみる人、使い続ける人、収集する人がいなければデザイナーはその役割を果たしません。この世に素晴らしいとされるものが生まれる事すら無いのです。だから出来る限り素敵だと惚れ込んだ人の物や、その人のつくるお店で買いたい、ネットで買う方が安くても素敵なお店がつぶれないようにそこで買いたいのです。その人にお金を落として、素晴らしいものや空間を創り続けてもらいたいのです。最近つくづく思います、洋服がここ20年の間にめまぐるしく大きく変化と成長を遂げました。買う側の視覚も肥えてきたと思います。その反面どこかで見たようなものがあちこちに増えてきました、デザインや機能に美しさを求めるのではなく焦点が人の弱みにつけ込んだものなのです、現に世界中の洋服が集まる展示会へ行っても血の通わない洋服が山程ありました。そういうブランドは宣伝でごまかしたり、ごもっともな背景をくっつけてあやふやにします。そうしてまやかされたものは無知な消費者に襲いかかっているのです。それは人間が大量生産大量消費の為に考え出した知恵と言うなの毒です。直接的に放射能の様に体に影響がないからニュースにもならず気付かないだけなのです。でもここからはオタクこそが本物の幸せを手に入れれるのだと確信しています。オタクは掘ります、とことんどうしてそれが好きなのか良いのかどうしてこの人はこれを出したのか、本気で惚れ込みます。だから変化を変化と捕らえずその人の事をあたたかく時には厳しく見続け応援し続けるのです。こんな社会だから○○さんはこれを作ったんだ、などと作り手を擁護したりまでするのです。それがオタクの性分です、私はそんな愛あるオタクが大好きです。消費を促す為の宣伝に踊らされている人種がいる事に見向きもせず、今日もまたオタクは文化を創るのです。
2016.△.△
消えてなくなるから良い事だってある_言葉なんかはほんとは残さないほうがいいのかな。言葉と一緒に残るのはその時の気持だなぁ。言葉は添えるもの。洋服も添えるもの。歌も。気持も。
2016.10.05
絵心服心_今回はほんとに色々と気付きと収穫の多い出張でした、格好良い人達の言葉が今もずっと頭を離れません。フランスで出逢ったパリ在住のデザイナーさんのアトリエにお邪魔してきました。入るなり彼女の洋服に釘付け、一目惚れです。そんな時は決まってその場にオーダーを置いて帰ります。敬意を表すためだと思います、無意識ですが。その時私は出来ない英語、ほとんど日本語の様なものですが、彼女にエクセレント!ジーニアス!アイムエキサイティング!などと下手な愛情表現、彼女はすかさず素敵に笑ってこう言いました「私の洋服はナイスでいいの。」答えはシンプルです、彼女のこのニュアンスこそが惚れた理由なのです。(そうなの求めているものはそれなの、ってちゃんと伝えたかったけど伝えれなかった)服には服の向こう側にあるものが見えてこないとやっぱりいけないんだって彼女の服と彼女に会って確認できました。それは暑苦しくつくられた見せかけの背景じゃなくて、やっぱり心なんだと。photo:菓子箱を開けた女の子はびっくり「よっぽど急いでお土産買ってきてくれたんですね」
2016.10.02
冒険に危険はつきもの_今日は合同展から離れて、新しいものを開拓しようと考え事をしながら街を歩き回りました。嗅覚を頼りに通った事の無い道を奥の方へ進んでいきました。気がついた時にはなんだか様子がおかしいのです、街の荒れた感じや街にいる人達がいつもと違うのです。慌てて携帯を取り出してGooglemapを開き早くこの場所を抜け出したいのだけれど、もともと地図が読めないのも手伝って携帯をくるくる回し焦るばかり、これ以上進んで良いのかそれとも進まなくちゃいけないのか、冷静になれず、もうその時には開拓どころじゃなくなっていました。前にも地図を広げている時に鞄をとられそうになったり、親切か誘拐かわからない様子で案内してあげるよっていうお兄さんに遭遇した事があるので、立ち止まって地図をじっくり見ている事が出来ません。こんなときは結局機械ではなく野生の勘です。時計を見て時間と太陽の位置を確認して、南にとにかく南に。明るく空が見える方に冷静を装い無事に脱出することができました。結果何処にいたのかなんだったのかわかりませんでした、そんな時もあります。安全な場所に出たら出たで今度は退屈なのです。この経験が体に沁み込んだことが今日の収穫かもしれません。失敗も最後は話のネタになれば大成功です。
2016.10.01
買えないもの_パリに到着して5日目です。ファッションウィークのため買付けにきています。パリ中がものを買って下さいに溢れています。そんな時間と空気に浸る程、買えないものを買いたいなと想像が膨らみます。お店には想像させてくれる余白が大切です。そんなことがはっきりしてくるので、旅は大事です。
2016.09.23
エネルギー_好きも嫌いも感情のエネルギーは伝わっていく。以前そんな話を聞いた事があります。あの人どうしているだろうか、会いたいなぁと思えば約束もしていいないのに会えたり気持が通じたり。苦手だなぁと思うとその人がよかれと思ってやってくれた事がどうしてそんな事するんだ、ってことになったり。不思議なものです。人に対してだけではなく洋服もそうなのかなぁと思います。洋服は体の一部、そんな感情が洋服に乗り移ってどんな風にでも自分を変身させちゃうんじゃないのかなと思うのです。なんだか飽きてしまったのは、洋服ではなくて自分自身。変わらず大好きなのは、洋服ではなくてそれを買った場面が今でもドラマチックに心に残っていたりします。そして長く愛用するのには、自分自身を作る努力が必要かもしれません。愛している人やモノややりたい事が自分に在ることは、大きなエネルギーを発するんだなぁと、先日ある女性にお会いしてハっとしました。その方と何かしたいなぁと妄想ばかり膨らみます。近々皆さんに良いお知らせができればと思っています。RAUSCHENBERG IN ISRAEL
2016.09.17
この感覚_頻繁にカッコいいを題に文を書きます、またそれ?!と思う人もいるのかな、でも洋服にも人生にも大事な事なんです、少なくとも私達にはとても。そしてこれがなかなか表現しにくいのです、言葉で言っちゃカッコ悪くなっちゃうことの方が大半だからです。ダサいとカッコ悪いの違いみたいなものもなかなか表現できません。先日映画好きの職人さんから奨められて観ました。この感覚、節々にカッコ良いが詰まっていました。JAGUAR MARK X がこんなにも素敵なのは乗っているマーク・ラファロの魔法でしょうか。良い映画でした。
2016.09.06
服に救われた人生_先日、70歳過ぎの(全くそうは見えませんが)素敵なマダムとお店で4年ぶりの再会をしました。相変わらず素敵な品は何処から来るのですか?とお聞きすると、素敵な女性はね、おもねないの、絶対ね。おもねないって何ですか?媚びないってことよ、際どい音楽を聴いて、際どいお洋服を着て、際どいダンスをして、際どい恋をしてね、そして不良でいなきゃね。不良は素敵よ、笑。一生で沢山の男を振り向かせなさい、笑。マダムは素敵なお話をたくさん教えてくださいました。何より印象的だったのは、私はブランドに守って欲しいと思った事はございませんの、高級生地は買えなかったから、端切れを使ってお洋服を仕立てていただいていた頃ね、出来上がりまでに何度もお直しを繰り返して行くんだけれども、鏡に映る自分を見ながら、これが似合う女性になろうとだけ思ってきましたの、とおっしゃいました。私はてっきり沢山のブランドを通って一周してブランドなんかじゃないって気付かれた悟りを拓かれた方かと思っておりました。そのお方は、だって私にはそれを買うお金がありませんもの。でもね美と豊なことに対しては沢山考えましたのよ。お洋服に愛を注ぎなさいと教えてくれた母には今も感謝しておりますわ。沢山お話しして、その後コモノリプロダクツのレザーバックをポンポンとぺたんこにしてこうして使ったら素敵ね、と一瞬で決断されご購入されました。さようならの後、曲がり角を曲がるまで何度も振り返ってはお辞儀を繰り返しながらお帰りになられました。その方が見えなくなっても今もまだ、私の心は完全にその方に奪われています。お洋服はこれ程までにも人を美しくし、強く生きる事を教えてくれるのです。背筋がしゃんと伸びました。お洋服を通して何ができるのか、また教わったのでした。ずっとカッコ良く生きるって大切だなぁと思いました。不良かぁ。。
2016.09.02
解放_今日はとてもとても良い日だった。展示会後の夕食は近くのvonovonoさんというカレー屋さんでした。口いっぱいカレーを頬張り1日を振り返りました。お忙しい中会場は沢山の方々で賑わい、今日のみんなの顔を思い出してたら、過酷だった半年が一瞬で充実した日々に変わりました。展示会が始まるまでは、いろんな事に迷走して、不安や焦りで空回りした事も、目指すものがあるのかないのかさえわからなくなっていました。でも、今日、みんなが心から楽しんでいる姿を見て、もう、なんだ、これでしかなかったんだよ、私達はこの顔が見たかっただけなんだって、服を作り始めた一番初めの気持ちに戻れて、そしたら辛いカレーの仕業もあってボロボロと汗と涙が止まらなくなりました。半年間こんな感じで燃え尽きるから、泣いたら辛いのぜーんぶ忘れちゃいます。次の話にも花が咲いて今夜も面白い話は尽きません。今日は緊張の先に解放が生まれた幸せな一日でした。明日は東京展示会最終日、楽しんで帰ろう。全ての事に感謝、ありがとう。
2016.08.30
本_今日から東京のBOOK AND SONSさんにてコモノリプロダクツ2017SS東京展示会が始まります。昨夜は台風が心配だったのか今日が楽しみだったからなのかあまり良く眠れませんでした。ぼぉーっとしていたせいか朝の待ち合わせ時間を1時間間違えてロビーに到着、読書を楽しんでいます。泊っている東急ステイ祐天寺の本のセレクトは素晴らしい。谷川俊太郎さん、長田弘さん、イエラマリさん、久住昌之さん、串田孫一さん、ヘンリーDソロー、エッセイから旅本、家具から宇宙まで好みの物がずらりです。誰が選んだの?気になって聞いてみました。会社にそれを担当する物がおりまして。。とのこと。凄いセンスの持ち主!と胸がドキドキしました。そんなセンスを持った方が会社にいらっしゃるってだけでなんだか夢が膨らみます。頑張ろうって思いました。皆さま台風にはお気をつけ下さいませ。
2016.08.28
愛に燃えるその瞬間が”永遠”_展示会前のバタバタを言い訳に久々に書きます。先日「トスカーナの休日」という映画を観ました。岡本太郎さんの本も読み返しました。「愛に燃えるその瞬間が”永遠”なんだよ」と書かれてありました。山本は先日言いました「どれだけいい加減なヤツでも洋服に対してだけは真剣じゃないと駄目だ。洋服に携わる者は絶対だ。」それはちゃんと形(サンプル)になったかどうかではありません、本当に世に出すべきかと向き合ったかどうかです。売れないのはいけません、でも売れる為だけに、着る人を自分たちの消費の対象とした物はもっといけません。もがきながらも、みんなの心に響く事がしたいのだと思うのです。トスカーナの休日を見終わった時にもそんなことを思いました。良い映画でした、登場人物の着ている洋服もとっても素敵でした。
2016.08.14
残暑お見舞い申し上げますみなさま暑い日が続きますがお元気でお過しでしょうか?最近は週に何日かお店に立たせてもらう機会をいただいて、皆さんの日常に驚いたり一喜一憂したりしています。人見知りさんが話す山へ登るお話、営業マンさんの仕事への決意、デートへ向かう彼女のキラキラした顔、落語に心奪われた美人さん、色んなお話聞いて思います。色濃く鮮やかに描写された風景や出来事は清々しく聞く人を心地よくするんだなぁと。お洋服もお店もそんな素敵な人達の時間に少しでも寄り添えたら幸せだなぁとそんな事を思いました。photo:近頃何度も読み返している先日届いた葉書
2016.07.29
Treepeopleと彼の人生_Treepeople店長服部の事を書くのは2度目ですが、今回ばかりはどうしても書き留めておきたかったので、親バカの様ですが失礼します。山本が一人で初めたお店に私が入り、そのあとすぐに服部が入ってきました。お客さんの頃から合わせるともう14年の付き合いになります。その当時一宮の何にもないところにある古着屋は、来る人来る人が大丈夫?これでやっていける?と心配してくださる程の商品量の少なさで、それはそれはストイックな古着のセレクトでした。無駄遣いはせず、本当に買い付けたいものだけを買っていました。(もちろん今もそのスタンスは変えていませんが)オープン当初は全然人が来なかったので店内を人が入っている様に見せる為にぐるぐる歩き回っていました。正確には追いかけっこして遊んでいました。メーカーさんからはここでは売れても年間3000万かな、なんて言われて悔しくて、いくら売れるかなんかよりもとにかくとにかく人を喜ばせて沢山の人でこの場が溢れたらいいなぁって3人で頑張っていました。2年目くらいでしょうか、スタッフの車しか停まっていなかった12台とめれる駐車場が一日4回転、ネットもイベントもやらないのに土日になると行列までできていました。当時は一つのフィッティングルームを6人から7人の方々が順番に自分の脱いだ洋服を持って着替えたら出てを繰り返して、試着時には「男は待って、レディーファーストだろ」なんて山本や服部が声をかけたり、店内ではお客様同士が恥ずかしげに顔見知りになっていくような感じでした。瞬く間に人も売上も増えてその場所で1億2千万を超える売上を叩く事が出来ました。当時は一番高いものでも3万円くらいでしたから、みなさんセットでご購入いただいておりました。時には店頭で行儀の悪い子やマナーのなっていない子を叱り、仕事に悩んでいた子と共に泣き笑いました、とにかく元気の無い子は服部の元気で充電され帰っていきました。半年に一度のシーズン切替の時には、外が明るくなるまでレイアウトを変更、フラフラになりながらお店を出て「半年間おつかれさまでした。また次のシーズンもよろしくね。」と山本を筆頭に服部と私もお店に深々と頭を下げ半年を振り返りじーんと言葉にならない沢山のことを噛み締めていました。__ご存知の方も多いかと思いますが、服部憲児は2016年7月31日(日)でTreepeopleを去ります。彼がいなければTreepeopleどころかCOMMONOreproductsも間違いなく存在していませんでした。ずっと彼の事を想うと淋しくて悲しくて、悔しくて、彼にもっとなにかしてあげれていたら彼はやめなかったのではないかと、悔やんでばかりでした。彼と過ごした時間を思い出す事すら出来なかった程です。一生一緒に働くんだろうなと思っていましたし、今もまだどこかではそう思っています。昨夜ふと気づきました、そうだ、今もこれからも彼は心の中にいるんだなって。彼は生地の補修をしている会社に行きます、きっと次の場所でもムードメーカーとなり活躍し人を幸せにするんだろうなと、そんな彼の人生に少しでも触れられた事に幸せを感じました。共に3人で駆け抜けたあの日をもう一度最後に体験しに30日、31日はTreepeople33時間営業で悔いの無い様初心にに戻ってやってこようと思います。ようやくふっ切れました、そうだ彼はいつも私達や来てくれるみんなの心の中にいるんだ、そう思えたら「14年間本当にありがとう、おつかれさま。」と心から言えました。みなさま店頭でお会いしましょう。
2016.07.20
ハッピーセット_風の通らない体が気持ち悪くて、どうしていいかわからず朝晩走ってみたり、音楽を大音量で聴いてみたり、食べないのにひたすらお料理したり、お手紙書いてみたり(出せずにいますが)、わんわん泣いてみたり、とにかく少しの間もがいていました。「あのね、私今すっごく心が汚れてるの、今を素直に喜べないの」と私が友人に言うと、いつもの様に笑って大丈夫!と吹き飛ばしてくれるかと思ったら、いつもと違う口調で何かを察した友人は言いました「良い事と悪い事はいつもセットなんだよ」「言われてなんぼ」賞賛の数だけやっかみがある、そんな風に言ってくれました。その友人はとてもファンの多い人で私よりずっと前からそんな事を沢山たくさん経験しています。その時、わかるよ。と一緒に泣いてくれた友人の為にも頑張ろうと救われたのでした。誰かや何かと比べて強くならなきゃと思って重くなっていた体は、今は辛い事が無くなったのとは少し違って、なんだかじわっと吸収して縮こまっていた心と体を少しだけ広げれた感じです。本気の仲間はいいなと思いました、ちゃんとわかってくれる人は自分の周りにちゃんといます。皆さんの周りにも。人生ハッピーセットです。photo:MARCOMONDEさんからのお中元のゼリー
2016.07.16
d design travel AICHI号_近頃、言葉やデザインが買い手の消費を促す為だけの手法となって怪物化しています。それを受け取る側は、情報にまみれ慌ただしく時間だけが過ぎていることに気付けないでいるから、簡素化された言葉に翻弄されてしまいます。言葉の奥行きやデザインの本質なんて問う事さえ無くなってきているのです。私達が想像する時間を削りわかりやすい答えを求めることによって、社会がとても淋しい薄っぺらいものになっている気がしてなりません。そんな中、d design travelの方々は2ヶ月愛知に滞在し、自分たちの体を張ってちゃんと言葉を生み出し、情報誌を超えた読みものを作られました。心の声が行動に直結しているから文章を読む人の心に真直ぐに響いてきます。ちゃんとある物事を自分たちのフィルターを通して誠実に伝えているこの本は、腐らないまたもう一度読み返したい本となるのではないでしょうか。そしてそこに関わる人達の思い出とともに私達の宝物になりました。また、ありきたりの言葉を並べたりなんかしないナガオカさんと編集長の心意気にも身の引き締まる思いでした。地域には良いところもあれば、その反面それを継続する為の問題も沢山潜んでいます。私たちはそこと対面してこれからも社会を創っていくんだと思います。この本が愛知県と、愛知に住む人達にきっかけを作ってくれたのではないでしょうか。どの言葉を信じるかじゃなくて、誰の言葉に耳を傾け考え行動するのか、また改めて勉強させていただきました。今回関わらせていただけた事を光栄に思います。素敵な時間を有り難うございました。photo:COMMONOreproductsアトリエにてd design travel AICHI号出版記念パーティー
2016.06.20
また来てね_デザイナーの山本とお店に立っていた時はお買い上げいただいた後もお見送りの時も’ありがとうございました’と言っちゃ駄目でした。それを噛み締めてまた来て下さい、また来てねに言葉を変換するのです。上辺の言葉をひたかくしてお店に来てくれた方とさよならするのです。俺たちとお店に来てくれた人はどっちが上でもない、親友との関係にありがとうは使わない、行動で示すんだ、と初めて山本から聞いた時には衝撃でした。今までの服屋経験はなんだったんだろうと思うくらいでした。山本はずっとずっとありきたりの店員になるな、と言い続けておりました。いらっしゃいませを言いなさいとか、御礼を言わなくちゃとか、そんなことよりも大事な事がある。お店は何万と在る場所の一つかもしれないけれど、人生に刻まれる無くてはならない場所になったら、幸せだと言ってくれる人が沢山いたらそんな幸運な事はないと。久々にお店に立ってそんなことを思い出しました。また来てね。
2016.06.11
トークショー_少し前東京へ行った際に上原に移転オープンされたRoundaboutさんへお邪魔しました。お店の中には沢山お客さまがいらっしゃって、店主の小林さんはお客様とお話をしていらっしゃいました。彼の目の前のお客さまだけではなく店内にいらっしゃる皆さんが聞き耳を立てているように(すみません、勝手にそんな風に)見えました。私も近寄ってみると、お話はそれはそれは面白く、他では聞けないエピソードばかりでその場から動けなくなりました。そのあと小林さんに近くの美味しいカレー屋さんに連れていっていただき、2人は慌ただしくがつがつとカレーを食べながらその話をしました。最近店頭で面白いお話を聞けなくなっている気がするんです。「あれが着回せるこれが使い易い、ネットで買ったらお手頃だ。」なんだか楽することばっかりで本当につまらない、とお話ししました。わざわざご来店される方は店員さんから普段聞けないお話聞いて、その店員さんみたいになりたくて、お買物をする。お店の物と店員さんがリンクしてて、まるでお店は店員さんのアイデンティティの集合体。どうしてこれを選んだかまで聞きたくなる。それが良いお店と良い店員さんな気がする、とお話ししました。そんな面白いお話聞きたいんですよね。「やりますか!トークショー!」と小林さん、「じゃあ、藤城さん(プロダクトデザイナー)と山本さん(コモノリプロダクツデザイナー)とでやりましょう!」ものの5分で決定しました。「わーい!」「何が聞きたいですか?」「なんでも聞きたいです。」「じゃあある事ない事しゃべりましょう(笑)」「いいですねぇ、朝までお願いしますね。」「じゃあ、あることないことNIGHT」決まり!でした。面白い事は転がっています。でも探している人にしかそれは転がってこないのです。そしてそれはライブ会場でしか聞けない心に届くアーティストの生の声だったり、はたまた歌詞を忘れてしまうようなハプニングだったり、現場にいかなきゃ出会えないんだと思うのです。というわけで、そんなタイトルで来月始めトークショーをする事になりました。今から楽しみで仕方ありません。ご来場いただける人数に限りがございますのでご了承下さいませ。詳しくはホームページNewsにてご覧ください。
2016.05.30
生きいそぎ_これがモードかカジュアルかファッションか否か、それについて話をしている時間が無いと近頃思います。(今だけかな)ただ目の前にあるものが自分にとって良いと思えるものかどうか、格好良いかどうかだけで十分で、ジャンルにしばられてお洋服やものを選ぶのではまだ足りない気がするのです。それを超えて感じれたものかどうかがとても重要なんではないかと思うのです。沢山見て沢山買って着て、沢山捨ててまた買って、その先にはジャンルなんてとうてい必要なくなっているのです。どうしてそこまでするのかも、考える時間が惜しいのです。自分にしかわからない未だ見ぬ世界があると思ったら、おちおちしていられません。今日も刺激的な一日を。
2016.05.16
それって本当かな_始めからシャツは似合わない。シャツがしっくりくるまで着るから似合う様になる。ジーパンだって黒い服だって、着慣れるまでに顔つきや体つきが変わってくる。洋服に合わせて体を作るんだとやっぱり思う。 誰にでも合う服ってどういうことかな。何にでも合わせられるって本当かな。服は体を変化させて知らない自分へと導いてくれる不思議な力をもっている。服も音楽も食物も自分の居る場所も、消費するだけじゃつまらないな。
2016.04.15
願いは叶う_10年以上前に読んだナガオカケンメイさんの本に確かこのような事が書いてありました。「この人に来て欲しいと願ってお店をしていたらその人が来てくれた」文面はうる覚えですが、どこを目指していけばいいかわからず漠然と自分の好きな物をお店で集めれば良いお店になると傲慢にも思っていた頃の私にはとても衝撃的で、その本を聖書の様に頼りにある意味安易に信じて突っ走りました。そして自身が立てた憧れのスタイリスト/ソニアパークさんにお店に来て欲しいという目標も6年前の事ですが達成できたのでした。今思うと願いを叶える為にとにかくやる事はシンプルでした。その当時同じ気持を持つお客様も集まって下さいましたし、またその考えにそんなの無意味だと意見をくださる方もありました。でも意味なんてないままこれたからいろんな奇跡がくっついてきたようにも思います。そしてその当時の無意味があったからまた何かやりたいなぁなんて漠然と思っていたりもします。答えが出るまでやろうと貫けた経験は財産です。きっと作りたいと想い願う気持ち(情熱)があるということの他に必要なものはないんだと今日も思うのです。
2016.04.10
やりたい事とやるべき事_あっという間に桜も散ってしまいました。3月も濃い時間を重ね、毎日が刺激的で時間を忘れて夢中でものづくりに取り組んでおりました。今は処理しきれないことが沢山残っている感じです。なのにまだあれもこれもとやりたいことが湧いてきます。体がいくつもあったら良いのに、一日が48時間だったら良いのにと安易に思います。こんな日々が続くと、やりたい事の反対にいつもつきまとう事はやりたくない事ではなくてやらなくちゃいけない事なんだなと思います。そして多くがこのやらなくちゃいけない事で取り巻かれている現実に直面します。限られた時間の中で、やりたい事をやる為にやらなくちゃいけない事と戦おうとしてしまう。でも本当は相反するようでそうじゃないのかもしれません。やりたい事の一部分がやらなくちゃいけない事なのだと思うのです。何を優先するのか何と戦うのかではなく、今をどう受け止められるのかなんじゃないかな、とぼんやりそんな事を思いました。明日は生産管理の会議です。より良い生産背景を構築していく為にこれからどうしていくのか、沢山の意見を交換したいと思います。それもまたやりたい事のひとつです。
2016.03.14
健康法_インスタグラムやブログの様なもので発信しているにもかかわらず、近頃では意図的にそれらを遮断する様になりました。世界の情報が沢山配信され、いつでも知る事ができるなんて素晴らしい道具なんだと今も変わらず思っておりますが、一時は私自身沢山手元に情報を抱え込んで、小さな画面に驚き興奮し、実際に見た気分や解った気分になっていました。それが続くとそのうちどれだけ情報を増やしても体が反応しない不健康な状態になっておりました。これは情報が面白くないのではなく、情報を受け取る自分の体がつまらなくなっているのだと気付きました。情報は画面から得るだけではなく自分の足で取りにいくということを忘れていたように思います。タイトルに魅せられて本を買う、ジャケットが良くてCDを買う、素敵な人とお話をする。そんな風にして近頃は過ごす様に心がけております。その方法にすると感動が増えますが同時に失敗も増えます、でも失敗が出来る事も幸運だと日に日に思う様になりました。そして何より情報は減っているはずなのに前よりも日々の充実を実感できる様になりました。アナログな方法で笑われちゃいそうですが、実際に経験を積むということを差し置いて心底感動を得ることは無いと確信しております。私たちの様な仕事だけではないと思います、情報量が沢山あることよりも、感動や感激が起きた瞬間に出るパワーが源になって、次の仕事に繫がることが少なくはないのではないでしょうか。恐ろしい事に不感症はものを見る上で何事にも繫がっていきます。素敵な人や洋服に出逢えたり、空気が心地よいと感じたり、自身の心持ちを一度見直してみるのも良いかも知れません。
2016.02.19いるもの_少し前朝食がマンネリ化してきたので新しいパン皿を買った。食器は好きなものしか買わない、無理に揃えないと決めているから足りない形や大きさもいっぱいある。大は小を兼ねるというけれど、小さい方のが好きなバランスなら大は次の機会を待つ。一通りそろったからもう当分食器は必要ないと思っていても、やっぱり質感や少しの形の違いや、一番のきっかけはマンネリ化がやってくるのだと思う。よそさまの食器棚を覗いた事がないので、多いのか少ないのかもわからないけれど、いるものだと買ってしまう。いるものっていうのはいるものである。そんなにあってもまだ買うの?という会話はいろんなところで耳にするしよく言われるけれど、その時陰からこっそり思う、いるもんはいるもんだから仕方がないと。下ろしたばかりのお皿で食べた朝ご飯は格別で、朝から体がフレッシュで、今日も一日良い事ありそうな気がした。そう考えると、これも洋服をお洒落に着こなす要素の一つだからとやっぱり買ってよかったなぁと自分を褒めている。
2016.02.1516 Design Institute_ホームページを16(図録)さんに新しくしていただきました。16グラフィックデザイナー鈴木さんとの出会いは数週間前です。うわさがうわさを呼んで彼にたどり着きました。彼の想像を超えた吸収力と理解力、華麗な仕事ぶりはおうわさ通りでした。いつもにこにこ笑顔で私たちの伝えたい事を瞬時に読み取り、期待に応えようとしていただく姿勢が、清々しく気持ちの良いお方でした。彼のお仕事ぶりに感動すら覚えました。今までどこかでホームページの外側を作っていただくまでがお付き合いなのかなと思っておりましたが、出会って間もないのに彼の呼吸やスピードや感覚がとても心地よかったからでしょうか、これで終わるのは寂しいと思える程今後に期待の続くお方でした。ものを作るには、いつかのタイミングやいつかの区切りで終わらせなくちゃいけないという予算や時間の制約との戦いです。それは簡素化した事をしなくてはならないという事ではなく、人に感動を与える為、今やりたい、今しかないというタイミングに何処まで妥協のない結果が出せるのかだと思います。そうして出来たものはとても愛おしく、完成なのに完成でない、そこからまだ育てたいと思えるものになるのでははいかと思うのです。今回そうして作っていただいたホームページをこれからも皆様と共に育てていきたいと思いました。インスタグラム同様お付き合いくださいませ。16Design Institute/鈴木さんに感謝の気持ちを込めて。
2016.01.15笑えてきた_自分じゃどうにもならない事がある。ああしたいな、こんなことしたいな、と思っても相手を傷つけてまで貫き通したい事なんてやっぱりない。そうなってくると自分で自分のまた新しい道を探して進むしかない。これは逃げるのとはちょっと違う。仕方がない事があると理解して進む事だと思っている。それを理解する事がなかなか難しい。わかっているつもりでいる事が多くて、そんな時はもやっとした灰色のものが体の奥の方にある。それをそのままにしておくというのは、蓋をしたり見て見ぬ振りをする事だと自身でもわかっている。そんな時は粗治療しても駄目で、もっともっと自分がどれ程のものか見つめ直す。そしたら冴えない自分がぞわぞわ〜と現れて、馬鹿だなぁ〜って最後には笑っちゃう。いつも失敗の時はこんな風になる。何度繰り返したかわからないけど、いっぱい泣いていっぱい笑う、それが自分のやり方なんだと変えれない自分を笑う。時々やってくるそんな出来事は風邪の一種の様なもので完治させたら元気でいられる事に幸せを感じる。生きていたら色々あります。だから今日もやっぱり笑って過ごすのです。
2016.01.01明けましておめでとうございます_昨年の暮れの事、男の子が綿の花を見て、「ねぇねぇこれってなんになるの?」って無垢な目で聞いてきました。私は「これはねぇ、パパが作るお洋服になるんだよ。」と間髪入れず答えました。男の子は何も言わずぽかん顔、頭を傾けふぅ〜んと一言。その時は何も考えなかったけれど、ふと、あれ?綿の花は何になるんだっけ?って気になりだしました。もちろん綿の糸のようなものかもしれないけれど、生け花にもぬいぐるみの体にもなったりもする。お布団や木綿のハンカチーフっていいう唄にだって、それから...考えたらきっともっともっといっぱいある。決めつけちゃったな〜なんて台所でそんなことを思いました。その時はよし!パパの株あげたぞなんて思ったりましたが、子供はそんな事を求めていなかったんだなぁと反省しました。まだまだ想像の修行が足りません。今年も世界平和のため、もっともっと創造の想像をしていきたいなと思っております。今年もどうぞよろしお願いします。
2015.12.29
ごあいさつ_今月の初めから本格的な断捨離を始め、洋服も本も音楽も電話帳も大事に持っていた考え方も捨てる事にしました。今まで美しく格好悪く生きようと、長年色んな考え方や物を積み上げ詰め込みすぎて、両手で持てない状態でした。人と比べて、足りない物を足してでこぼこを直そうとしていたんじゃないかなと思います。そして、自分の弱さや強さを物や考え方で埋めていこう、平にしていこう造った物はただの壁だったんだと恥ずかしくなりました。今思い返せばそんな事に気付けたとても感慨深いとても実りある一年でした。今はお腹のそこの方にできた空洞がエネルギーみたいに感じて、はき出したい想いみたいなものが沸々と込み上げております。今年も一年本当に有り難うございました。来年もまた新しい挑戦をたくらんでおりますので、どうぞお付き合い下さいませ。そしてみなさま良いお年をお迎え下さい。また来年お会いしましょう。
2015.12.21
出来損ないの可愛いヤツ_一生懸命やって出来なかった時の出来損ない程可愛いものはないと、先日の古着屋でそんな事を思いました。きっと昔も理解されなかったんだろうなぁ、それでも愛されて残ったんだろうなと思うものもあれば、きっと多くの人に褒められたんだろうなぁ、優等生だったんだろうなぁ、着るのが難しいからと着てもらえなかったんだろうなぁ、など色んな顔をした洋服が肩を並べて語っています。また昔の人はよくもまぁこんな無茶なものを作っちゃったんだなぁと心奪われるものもあります。完璧かどうかは人によって大きく価値観が違うけれど、あの時その時服を作りたいと夢中になれたその気持に勝るものはないのかなぁと思ったのです。優秀な出来すぎたものではなく夢や浪漫がいっぱい詰まった出来損ないに出会えると胸がキュンとなります。それはきっと新品でも古いものでも同じなんだな。
2015.11.10
てあて_文通相手のnoiちゃんは近頃とっても優しいのです。お兄ちゃんがお熱を出したので、ママはいつもの場所にあったはずの熱冷まシートを探していました。お友達にわけてあげた熱冷まシートのことをママに言えませんでした。だってお友達もお熱があるんですもの。
2015.11.09
身体作り_次のシーズン2016AWの生地が出来上がり、サンプル作りが始まりました。脳をフル回転させてイメージを形にしていきます。どんな形を作るかという事以上に、どんな人が着たいと思ってくれるかを想像します。時にはきっと○○さんが見たら驚くよね、着たら似合うよね、なんて話もしたりします。私達の考える洋服は経済効果が全てではありません。着る人は消費者でも消費の対象でもないのです。自分の気に入ったものを着て元気でいてくれる事、幸せな気持ちになってくれる事が何よりの願いなのです。だから格好良い作り、格好良い振る舞いが大切なのです。着たい服を着て、体が喜んで、自分の体が成長し、そうしていれば明るい社会が出来上がるんだと信じてやまないのです。次への意気込みが旺盛で、暑苦しい文章になってしまいました、お許しください。みなさんの健康をお祈りしております。
2015.10.9
息_何度か経験を重ねて、人とのいざこざや、自分自身や周囲の人の事をなんとなくわかるようになってくると、人との出会いに臆病になったりします。そんな風でも出逢った年数や重ねた時間ではなく、きっとこの人とずっと一緒にいるんだろうなぁとか、ずっとこの人のそばで生きていきたいなぁと思える人に出会う事もあります。一方的にそう思い続けている人もいれば、出会って何年か越しに気付く事もあります。そんな人が身近にいることに気付いた時は、小さなエネルギーみたいなものが湧いてきます。それは無理をして頑張るということではなく、素敵な人と息(呼吸)を合わせられる自分でいたいなと思うくらいのエネルギーです。息は多くしようと思ってもすぐに多くできるわけでもなく、止めようと思ってもそうそう長くは止めていられません。それもどれくらいが長くてどれくらいが短いのかも人によって様々です。時々息が合う、合わないとその言葉を無意識に使う事もありますが、息がぴったり合うっていう状態は本当にそうたくさんはない事の様な気もします。自分の息が上がらない様に深く長くゆっくり呼吸できたらいいなと思います。そして今自分のそばにいてくれる人との奇跡も改めて実感しています。photo:生地ができた後は洗って色んな調子が合うか確認します。
2015.10.03
決断の基準_会社という組織の中にいると、役割分担みたいなものが生まれます。人が頑張る応援は率先してやるけれど、いざ自分がそれをやるとなるとなかなか手を挙げません。先日も誰がその仕事を担当するのか、という様な話になりました。そんな時はよくわからなくなります。その仕事の内容が好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかでやるのかやらないのかを決めるのは違うんじゃないのかと考えるのです。というよりも、そんな感覚を持ち合わせるのなら、働きたくないやりたくないが本音かもしれません。仕事は目の前の人が喜ぶかどうかがあるから動けるのものではないのでしょうか。駄目人間の私はそれがなければ動けないのです。その人が一番喜ぶ方法を考えれば、誰が何をやるのがベストかが明確になります。人が喜ぶ方法が決断する時の基準でしかないのかもしれません。だからその方法がより良い結果になるように話し合いをしなくてはならないのです。時には会社とも自分自身とも微力ながらも戦わないといけないのです。秋晴れの澄んだ空気が活力をくれます。今日も良い一日を。
2015.10.01
景色をつくるもの_2016AWの生地を織ってもらうために糸の配合を決めました。この時ばかりはとても慎重です。デザイナーと私で別の場所で気に入った色を選んでも、いつもほぼ同じ2色に絞られます。そんな時は感覚の共有が出来ていると少し安心します。今回も直ぐに同じ色に絞られました。それでも1日では決めません。一度寝て1日置いて自分の感覚が本当に正しかったか確認してから決定です。こんな時のために日頃から山や川や街並みやのんびりとした景色や空気を見て感じる時間の大切さを確認します。最後の最後で理解し合える感覚を持ち合わせているかどうかが、ちゃんと楽しんできたか遊んできたかの様な気がしてならないのです。洋服は洋服に終わらず、着る人や街の景色をも作るんだと近い未来を想像してわくわくしています。
2015.09.30
矢印_少し前から読んでいる本の一文に、あるプロのオペラ歌手についてこう表現されていました。『氏にあるのは、堂々たる美声とテレである。ないのは、さもしさと媚である。』どんな風でありたいかと考えるならこんな風でありたいなと思うのです。近頃は自分の思った様に進めば良い、誰かと比べるものではない、とよく耳にします。自由の中にある自由を自分でつかみ取れといわんばかりに矢印のない導き方が良いとされているように思います。若い頃はこんな人の様になりたいないなっていうのがありました。お手本も沢山いましたし、とにかく近づく為に色々と憧れの人から見て盗みました。そうして結局そこにはなれないんだけども、目指して進む方向みたいなものはありました。やりたい事もやるべき事も明確でした。その当時その人に憧れた事が自身で矢印を立てていたという事なのかもしれません。自分を見失っている時というのは、自分の事しか見えてない時なのかもしれません。人を好きになる事って自然な事の様だけど、自分を好きになるのと同じ感じもします。忘れられないこの一文から、堂々たる美声とテレの在る人と一緒にいれる自分でありたいなと自分の中に小さな矢印が見えました。book:夜中の薔薇/向田邦子
2015.09.15
正木町のちいさな奇跡_先日アトリエで開催されたマルシェアンデパンダンはおかげさまで無事終了致しました。近隣の方々だけでなく、関東、九州、四国、遠方からお越しの方々、そしてお仕事でお越しいただけなかった方、応援して下さる方々もありがとうございました。当日アトリエ近辺の駐車場は早々に満車になり、歩いて15分20分かかるところに駐車いただきお越しいただいた方も沢山みえたそうです。それが功を奏したのか今回の目的の一つでもあった花を手にして帰るという行為が正木町に奇跡をもたらしました。花束を持って歩く方達が正木町に沢山いて、近隣のおばあちゃんやおじいちゃんも集まってきてくれました。歩く方の手に持たれた花束、それを手にする嬉しそうな方のお姿がとても素敵だったので、それを見かけた方が花をお買い求めに来て下さいました。そんな連鎖が何度も起き、そうして正木町に花束を持った方々でいっぱいになったのです。私たちは、イベントでどれだけの経済効果をもたらすかどうかということを知りたいのではありません、そこに居る人も来てくれる人も、ひとりひとりの意識が、どんな風に日本や世の中に作用するのかをこの目で見てみたいのです。ここから発信して何かが自身の生活を変え日本の空気も変わるのではないかと思っています。世の中の元気はそんな楽しいお買物という行動から始まるのではないでしょうか。ちいさな奇跡はやがて大きな平和をもたらすと信じているのです。そんな奇跡は何よりの宝物となりました。みなさまの幸せそうな会話や楽しそうな笑顔を見れて胸がいっぱいです。みなさま本当に本当にありがとうございました。またお会いしましょう。photo:MARCHE INDEPENDANT /dosa_invitation展/Ruka_flower
2015.09.23
より良いこと_先日40歳手前の大の大人が悔しくてギャーンって泣いた。日頃から仕事はいかにみんなにわかりやすくシンプルにできるかが大切だと考えている。’良い’と思ってやっていても’より良い’も見つかる。より良いを求め過ぎて進化させすぎ、それがかえってややこしく複雑に大事なものを見失う可能性だってある。また、より良いを自分で発見できた時には何か大発明でもしたかのような感動に近い嬉しさがあるもんだから、どんどんそんな楽しい事をやっちゃいたくなる。そうこうしているうちに何度も失敗を繰り返して何年か構築したやり方が厄介な事になっていた。それをデザイナーに指摘してもらった時にはそっか、そっちの方(前にやっていたやり方の方)が良いねなんて容易に言えなかった。その時はやってきた自分にしかわからないと強引に思ったからなのか、今思うときっとそこにはいらないプライドが生まれていたんだと思う。自分で何でもかんでも進化させようとしたのにそれについていけない自分を今冷静に見れば、ばかばかしくて笑ってしまう。見かねたデザイナーは指摘してくれたのに、でもその時は余裕もなくて悔しくて言い合いになった。押さえきれず泣いて、デザイナーは泣いた事に怒って、泣いたら済むと思うなよ、とまた悔しくてこぼれる涙をこらえて、馬鹿な自分を責めた。なんだか久しぶりに感情が湧いて出てきた。こんな事があるとモヤモヤするようで、実はなんとも清々しい。たまっていた悪いものが体から吹き飛んで気持ちが良い。臨機応変という言葉が昔から好きになれないまんまというのも手伝っていつもこうなってしまう。けれどそんな会話ができる事も本当に幸せだと思う。本当はマルシェアンデパンダンのお知らせを書こうと思ったのに、上手く書けずこんな事をつらつらと書いてしまいました。今週の日曜日は第二回マルシェアンデパンダン、皆の喜んでいる顔を思い浮かべて私もしゃんとやろうって思いました。早く日曜日にならないかな。
2015.09.07
選ばれるお店_買わされた、売らされたとはよく聞く話です。先日も大きなサイズの革靴を大丈夫だよとすすめられ買わされそうになった方の話を聞きました。その後その方は別のお店でサイズを取り寄せて丁度のサイズを買ったそうです。結果初めにその人が訪れたお店は、その方に選ばれたはずなのに、強引な接客によって信頼を失ってしまったのです。そしてその方は親身になってくれるお店を見つけてしまったのです。正確には見つけざるをえなかった、という事になるのです。その一時の売上の為に自分本位な対応をしてしまう行為は悲しい事の極みだと思っています。売れなかった事が失敗として残るのではなく、その行為はずっとそれをされた方の心に寂しく残るのです。販売に答えは無いともよく言われますが、誠実に対応する事以上でも以下でもないのではないのでしょうか。無いものは無いと言う勇気もまた一つの形として未来の良いお店を作っている事を理解しないといけないと思うのです。幸せな気持ちにさせてくれるお店には誠実さがディスプレイにも店員さんからも出ているものです、そして誠実な空気が流れています。大好きな人とお店がなくならない様に大好きなお店でだけ買い物をしたいのです。お店は買う人達に守られているのです、だからちゃんと考えて応えなければいけないのです。これは何度も何度も繰り返し考え言葉にしなくてはいけないことなのかもしれません。買う方も売る方もちゃんと耳を澄まさなければいけないのです。
2015.08.20
残暑お見舞い申し上げます_みなさまいかがお過ごしでしょうか。365インスタグラムを終えて随分と経ちました。ずっとまた書き始めようか否か悩んでおりましたが、心向くまま現状をお伝えしていこうかなとまたもや勝手なものです。ぼちぼち更新していこうと思っておりますので、これからもお付き合いよろしくお願いします。今は2016SS展示会真っ最中です。今日は名古屋展示会の最終日です。長いようで短い製作期間が終わり、今回も新しい出会いの下、愛溢れるものが出来上がってきました。ご協力頂いた方々、ご期待頂いている皆様、この半年に一度の興奮をお伝え出来たらと願っております。2015AWの商品も続々と入荷してきました。立ち上がりの始まったお店様もあります。沢山のお問い合わせ有難うございます。順番に出荷していきますので、もうしばらくお待ちくださいませ。まだまだ暑さが続きます、皆様お体ご自愛くださいませ。